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見送る時を

日曜日に、しばらく会っていなかった知人と、
晩ごはんを食べました。

彼女は女優を志し、色々な場所にエキストラとして顔を出しながら、
自主制作映画に出たりして、演技を磨いているようでした。

そんな彼女と会い、華やかな話しを聞くのは楽しかったのですが、
今回は様子が違いました。

彼女は生活のため、クラブで働くようになり、
服装や身振り、笑顔まで、大げさになっていました。

わたしは少し驚いていたのですが、
それでも、そういう要素も女優には必要なのかもしれない、
これも一種の成長なのかも、と思いました。


しかし、話しを聞いていくうちに、
これは演技を磨くため、というよりも、
ただ、過剰の中に生きているだけなのかもしれないと感じました。

テンションを上げるだけ上げて、お世辞と嘘ばかりの仕事を乗り切り、
本当にやりたいことが評価されない、苛立ちを常に抱えて。

綺麗だった肌にはあばたと皺ができ、
いつも優しかった口調には、鋭さが増していました。

そんなんじゃ、今、怖いでしょう。
そう聞くと彼女は笑いながら怖い、怖いと云いました。
分かってるなら止めれば、とは云えなかった。
云うべきだったのか、今も分かりません。


別れ際、おそらく生涯で一番引き止められました。
何とかなだめて手を振りました。
また会おうね。
本当に、絶対にね。




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