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シローさん、タローくん

実家の近所のおじさん。名前はシローさん。
シローさんは、タローくんという名の犬を飼っていた。
タローくんは、一昨年死んでしまった。
眠るようだった。
最期まで、おりこうさんだった。


シローさんは、農業をなりわいとされていて、
収穫したての野菜を、いつもいつも分けてくれた。

黄金色に輝くトウモロコシを見たことがあるだろうか?
はちきれそうに膨らんだピーマンは?
いがいがで口が切れそうなキュウリは?

全部あった。

ご近所というだけで、恩恵を受けすぎていた感は否めない。
タローくんがいなくなったあとは特に、実家の犬をとても可愛がってくださり、
「○○(犬の名前)にあげるんだから」
と云って、
使い込んだようなプラスティックのざるに入れ、
山ほど持ってきてくれた。

いつでも笑顔で、
「こうしてやるんだから、こっちの頼みも聞いてくれ」
なんてこと、
思いも付かないようなひとだった。


シローさんが、この間亡くなった。

最期まで、実家の犬が無事散歩に行ったか、
と気にしていたそうだ。

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